「前に作った名刺、もうすぐなくなるけど、また最初から注文するの面倒だな…」
「パンフレットの増刷って、データ入稿からやり直し?もっと簡単にできないの?」
あなたは今、そうした印刷物の「増刷」や「再注文」に関する疑問や悩みを抱えていませんか?一度作った印刷物が好評で追加が必要になった時、または定期的に使う消耗品を補充する時、前回のデータを使って手軽に、そしてお得に注文できたら嬉しいですよね。しかし、ネット印刷の増刷システムは会社によって異なり、どの方法が一番簡単で費用を抑えられるのか、迷ってしまうこともあるでしょう。
ご安心ください。この記事は、そんなあなたの「増刷ってどうすればいいの?」という疑問を解消するために作成されました。ネット印刷における「増刷」と「再注文」の違いから、それらを利用するメリット、そして主要なネット印刷会社ごとの具体的な増刷方法やデータ保管期間、注意点までを徹底的に解説します。
この記事を読めば、あなたは以下のことが明確に分かります。
- 「増刷」と「再注文」の正確な意味と違い
- 増刷・再注文を利用することで得られるコストと納期のメリット
- 主要なネット印刷会社での具体的な増刷手順とデータ保管の仕組み
- 増刷時に失敗しないための重要な注意点
もう、印刷物の追加注文で手間取ったり、余計な費用を払ったりする必要はありません。この記事を最後まで読めば、あなたの印刷物の増刷・再注文が、よりスムーズに、そして賢く行えるようになるはずです。賢くネット印刷を活用して、あなたのビジネスや活動をさらに効率化しましょう!
ネット印刷の「増刷」とは?再注文との違い
一度作った印刷物が好評だったり、在庫が少なくなったりした場合、同じものを追加で注文することがありますよね。これが一般的に「増刷」や「再注文」と呼ばれるものです。しかし、これらの言葉には微妙なニュアンスの違いがあり、ネット印刷サービスを利用する上で正しく理解しておくことが重要です。ここでは、それぞれの定義と、なぜこれらを活用すべきなのかを解説します。
増刷・再注文の定義
まず、ネット印刷における「増刷(ぞうさつ)」と「再注文(さいちゅうもん)」は、ほぼ同じ意味で使われることが多いですが、厳密には以下のように使い分けられることがあります。
- 増刷(ぞうさつ):
主に前回と全く同じ内容・仕様で、印刷物を追加で刷ることを指します。文字通り「刷る量を増やす」という意味合いが強く、通常は版(オフセット印刷の場合)やデータを流用するため、工程が少なく済みます。例えば、名刺やチラシ、パンフレットなどが予想以上に早くなくなった場合、同じデザイン・枚数で追加で注文するケースがこれにあたります。
- 再注文(さいちゅうもん):
これも前回と同じ内容・仕様で印刷物を注文することですが、増刷よりも広い意味で使われることがあります。一度注文した履歴から、再度同じ商品を注文する行為全般を指すことが多く、場合によっては若干の数量変更などが含まれることもあります。特にネット印刷のマイページなどでは、「再注文」というボタンが用意されていることが一般的です。
結論として、ネット印刷においては「増刷」も「再注文」も、実質的には前回と同じデータを使い、同じ仕様で追加発注することを意味すると考えて差し支えありません。各社のウェブサイトでは「再注文」「リピート注文」「過去の注文から」といった名称が使われていることが多いです。
増刷と重版の違い
「増刷」と似た言葉に「重版(じゅうはん)」がありますが、これらは明確に異なります。
- 増刷:
前述の通り、「前回と全く同じ内容・仕様で追加印刷する」ことです。デザインやテキストに変更はありません。
- 重版:
主に書籍出版の世界で使われる言葉で、「発行した書籍が売れ行き好調のため、内容の一部を修正したり、誤字脱字を直したりした上で、再度印刷する」ことを指します。つまり、何らかの修正や改訂が加えられる点が、増刷との決定的な違いです。修正が入るため、オフセット印刷の場合は新たに版を作り直す必要があり、増刷よりも手間や費用がかかることがあります。
ネット印刷でチラシや名刺などを追加で注文する場合、基本的に「増刷」または「再注文」という言葉が適切です。内容を修正したい場合は「新規注文」としてデータ入稿からやり直すか、「データ修正」オプションを利用することになります。
なぜ増刷・再注文を利用すべきなのか
増刷・再注文のシステムは、単に追加で印刷するだけでなく、利用者にとって大きなメリットがあります。これを知らずに毎回新規注文してしまうのは、非常にもったいないことです。
第一に、コストを抑えられる可能性が高い点です。特にオフセット印刷の場合、初回注文時に「版代」や「データチェック費用」といった初期費用が発生しますが、増刷・再注文ではこれらの費用が不要になることが多いです。デジタル印刷(オンデマンド印刷)の場合も、データ処理の手間が省けるため、新規注文よりも割安になることがあります。
第二に、手間と時間を大幅に削減できる点です。一度入稿したデータは印刷会社に保管されているため、再度データを作成したり、複雑な入稿作業を行ったりする必要がありません。ウェブサイトのマイページから数クリックで再注文が完結することがほとんどで、非常にスピーディーです。これにより、急ぎで印刷物が必要になった際も、迅速に対応できます。
第三に、品質の安定性が保証される点です。前回と同じデータ、同じ設定で印刷されるため、色味や仕上がりの差異がほとんどなく、安定した品質の印刷物を受け取ることができます。これは、ブランドイメージを維持したり、顧客に一貫した体験を提供したりする上で非常に重要です。
例えば、定期的に開催するイベントのチラシや、常に一定量が必要な名刺や封筒などは、毎回新規で注文するよりも、増刷・再注文システムを活用する方が、コスト面でも作業効率面でも断然有利です。印刷会社がデータを保管してくれている期間内であれば、これらのメリットを最大限に享受できます。この機会に、ご自身の過去の注文履歴を確認し、増刷・再注文の活用を検討してみましょう。
増刷・再注文のメリットと注意点
前述の通り、ネット印刷における増刷・再注文は、コスト削減や手間の軽減といった多くのメリットを享受できる便利なシステムです。しかし、そのメリットを最大限に活かし、後で後悔しないためには、いくつかの注意点も押さえておく必要があります。ここでは、増刷・再注文の具体的なメリットと、利用時に気をつけるべき点について詳しく解説します。
コストと納期のメリット
増刷・再注文の最大の魅力は、やはりコストと納期の両面で大きなメリットがある点です。これを知っているかどうかで、印刷にかかる費用や時間、そして精神的な負担が大きく変わってきます。
まず、コスト面です。初回注文時には、データチェックや、オフセット印刷の場合は「版の作成費用」といった初期費用が発生します。しかし、増刷・再注文では、これらの初期費用が原則として不要になります。データが既に印刷会社に保管されており、版も一度作成されていればそれを再利用できるため、余分な工程やコストが削減されるからです。結果として、同じ印刷物を再度注文する際に、一枚あたりの単価が初回よりも安くなることが多いです。例えば、名刺を初回に100枚注文し、次に同じデザインで500枚を増刷する場合、版代がかからない分、初回よりもトータルコストを抑えられます。これは、特に定期的に大量の印刷物が必要となるビジネスにおいて、費用対効果を大きく高める要因となります。
次に、納期面です。データ入稿の手間が省けるため、注文から発送までの時間が大幅に短縮されます。多くのネット印刷会社では、マイページの注文履歴から数クリックで再注文が完了し、データチェックの工程も初回より簡略化されるため、非常にスピーディーに印刷が進みます。これにより、急な追加ニーズが発生した場合でも、迅速に対応できるのが大きな利点です。例えば、イベント前日にチラシが足りなくなったと気づいても、増刷システムを使えば、最短で翌日発送などの「特急便」で間に合わせられる可能性が高まります。データ作成にかかる時間や、再入稿の確認作業といった手間が省けるため、全体的なリードタイムを短縮できるのです。
このように、増刷・再注文は、単に同じものを追加で注文するだけでなく、経済的かつ効率的に印刷物を手に入れるための賢い選択肢と言えるでしょう。特に、長期的に同じ印刷物を使い続ける予定がある場合は、このシステムを積極的に活用することをおすすめします。
増刷・再注文時の注意点
増刷・再注文は非常に便利ですが、いくつかの注意点もあります。これらを理解しておかないと、予期せぬトラブルやコスト増につながる可能性があるので、事前に確認しておきましょう。
まず、最も重要な注意点の一つが「データ保管期間」です。多くのネット印刷会社は、過去の注文データを一定期間(例:1年間、2年間、無期限など)保管してくれますが、その期間は会社によって異なります。この期間を過ぎると、データが削除され、再度データ入稿からやり直す必要が出てくるため、増刷のメリットである「手間の削減」が失われます。また、データ保管期間を過ぎてからの再入稿は、初回注文と同様にデータチェック費用などが発生し、結果的に割高になる可能性もあります。そのため、定期的に増刷する予定がある印刷物に関しては、利用している印刷会社のデータ保管期間を事前に確認し、期間内に増刷をかけるか、あるいはデータが削除される前に自身のPCにもバックアップを取っておくようにしましょう。
次に、「データ内容の変更の可否と費用」です。増刷・再注文は、基本的に前回と「全く同じデータ」で印刷する場合に適用されます。もし、テキストの一部修正、画像差し替え、レイアウト変更など、何らかのデータ変更を伴う場合は、増刷としては扱われず、新規注文として再入稿が必要になるか、または「データ修正費用」が発生することがほとんどです。例えば、名刺の部署名だけ変更したい、イベントの日程だけ更新したい、といった場合でも、それがデータ修正として扱われるのか、それとも新規注文扱いになるのかは、各社の規定によります。事前に問い合わせて確認するか、料金シミュレーションで比較検討することをおすすめします。多くの場合、軽微な修正であっても費用が発生したり、納期が延びたりする可能性があるため、変更がある場合は新規注文を検討する方が、結果的にスムーズに進むこともあります。
さらに、「料金体系の変動」も考慮に入れるべき点です。印刷料金は、用紙の仕入れ価格、インク代、電気代などの変動により、予告なく改定されることがあります。初回注文時と同じ料金が、増刷時にも適用されるとは限りません。特に長期間が経過している場合、料金が値上がりしていることもありますし、逆にキャンペーンなどで安くなっていることもあります。そのため、増刷を依頼する際は、必ず最新の料金を確認し、初回注文時と比較して納得できる価格であるかを確認することが重要です。多くのネット印刷会社では、ウェブサイト上でリアルタイムの見積もりシミュレーターを提供しているので、再注文を確定する前に利用することをおすすめします。
最後に、「用紙や加工オプションの廃止・変更」の可能性です。印刷会社によっては、取り扱い用紙や特殊加工のラインナップが変更されたり、廃止されたりすることがあります。もし、前回利用した用紙や加工がなくなっていた場合、別の代替品を選ばざるを得なくなり、仕上がりの印象が変わってしまう可能性があります。特に、こだわりを持って用紙を選んだり、特殊な加工を施したりした印刷物を増刷する際は、事前に現在の取り扱い状況を確認しておくことが賢明です。これにより、予期せぬトラブルを避け、希望通りの印刷物を手に入れることができるでしょう。
ネット印刷会社ごとの増刷・再注文ガイド
増刷・再注文のメリットや注意点を理解したところで、実際に主要なネット印刷会社がどのような増刷・再注文のシステムを提供しているのかを見ていきましょう。各社によってデータ保管期間や再注文の手順、利用できるサービスが異なるため、あなたが普段利用している、または利用を検討している会社の情報を確認することが重要です。
ラクスルの場合
ラクスルは、その利便性の高さと幅広い商品ラインナップで多くのユーザーに利用されています。増刷・再注文に関しても、非常に分かりやすくシステム化されています。
ラクスルで増刷(再注文)を行う場合、まずマイページにログインし、「注文履歴」から過去の注文を探します。注文詳細ページに「再注文する」ボタンが表示されているので、これをクリックするだけで、前回と同じ条件(商品、用紙、加工、部数など)で簡単に再注文に進むことができます。これにより、改めてデータを入稿したり、詳細な仕様を選び直したりする手間が省けます。
データ保管期間については、ラクスルは過去1年間の注文データを保管しています。この期間内であれば、いつでもマイページから簡単に増刷が可能です。ただし、1年を過ぎるとデータは削除されるため、それ以降に同じ印刷物が必要になった場合は、再度データ入稿から新規注文として手続きを行う必要があります。そのため、定期的に使う名刺やチラシなどは、1年ごとのデータ削除を意識して、期間内に増刷をかけるか、ご自身でもデータをしっかりと管理しておくことが重要です。
また、ラクスルでは、再注文時に数量や納期などの一部変更が可能な場合もあります。例えば、前回100枚だったものを次回は200枚に増やしたい、といったニーズにも対応できます。しかし、デザインデータ自体の修正を伴う場合は、基本的に新規入稿として扱われるか、別途データ修正費用が発生する可能性があるので注意が必要です。ウェブサイトのFAQやガイドページに詳しく記載されているので、不明な点があれば確認しましょう。
プリントパックの場合
プリントパックは、業界最大手として幅広い商品と安定した品質、そしてコストパフォーマンスの高さが特徴です。増刷・再注文のシステムも非常に充実しており、多くの利用者がその利便性を感じています。
プリントパックでの増刷(再注文)は、ラクスルと同様にマイページの「ご注文履歴」から行えます。過去の注文一覧から増刷したい商品を選択し、「再注文する」ボタンをクリックすれば、前回と同じ内容で簡単に注文プロセスに進めます。この際、オフセット印刷の場合は、初回にかかった「版代」が不要になるため、コストを大幅に抑えることができます。デジタル印刷の場合も、データ処理の工程が簡略化されるため、初回よりも安価になるケースが多いです。
プリントパックのデータ保管期間は原則として「最終注文日より2年間」です。この期間内であれば、いつでも同じデータで増刷が可能です。2年を過ぎたデータは基本的に削除されるため、その後の増刷は新規注文扱いとなり、再度データ入稿が必要になります。長期的に利用する印刷物は、この2年間の期間を意識して、計画的に増刷を行うのが賢明です。さらに、プリントパックは「超特急便」など、短納期サービスも充実しているため、増刷時にも急ぎのニーズに対応しやすいというメリットがあります。ただし、増刷時であっても、デザインデータの内容を修正する場合は、新規注文扱いとなるか、別途データ修正費用が発生する可能性が高いので注意しましょう。
グラフィックの場合
グラフィックは、高品質な印刷と豊富な加工オプションで人気のネット印刷会社です。増刷・再注文のシステムも使いやすく、安定した品質で追加印刷を行いたい場合に適しています。
グラフィックで増刷(再注文)を行うには、マイページの「ご注文履歴」にアクセスします。増刷したい過去の注文を選択すると、詳細ページに「再注文する」ボタンが表示されるので、それをクリックして進みます。この際、前回の注文データがそのまま引き継がれるため、再度複雑な入稿作業を行う手間が省けます。
グラフィックのデータ保管期間は「最終ご注文日より原則1年間」です。この期間内であれば、システムに保存されたデータを用いてスムーズに増刷が可能です。1年を過ぎるとデータが削除されるため、もし期間外に同じ印刷物が必要になった場合は、新規注文としてデータ入稿からやり直す必要があります。そのため、繰り返し使う印刷物は、年に一度は増刷を検討するか、データのバックアップをしっかり取っておきましょう。
グラフィックでは、再注文時に用紙や加工の種類を変更できる場合もありますが、データの修正を伴う場合は、新たにデータを入稿し直す形になることが多いです。これにより、データ不備によるトラブルを防ぎ、確実な品質での印刷を保証しています。高品質な印刷物を安定して増刷したい場合に、グラフィックは非常に頼りになる選択肢です。
その他のネット印刷会社
上記以外にも、多くのネット印刷会社が増刷・再注文のシステムを提供しています。ここでは、いくつか例を挙げて、各社の特徴を簡単に見ていきましょう。
- プリントモール:
冊子印刷に強みを持つプリントモールも、会員向けの「マイページ」から過去の注文履歴に基づいた「リピート注文」が可能です。これにより、再入稿の手間なく、スムーズに増刷ができます。データの保管期間は、ウェブサイト上で明確に記載されていないことが多いですが、一般的には1〜2年程度が目安となるため、事前に確認するか問い合わせておくと安心です。特に冊子の増刷は、データ管理が複雑になりがちなので、リピート注文機能は非常に便利です。
- WAVE(ウエーブ):
WAVEも、マイページの「注文履歴」から「再注文」が可能です。同社の強みは、品質に対するこだわりと、丁寧なデータチェック体制です。増刷時も、過去の注文履歴を基にスムーズに進められるため、安心して任せることができます。データ保管期間は各商品の詳細ページやFAQで確認できますが、多くのケースで数年間はデータが保持される傾向にあります。再注文の際には、前回のデータが正確に引き継がれているか、最終確認を行うステップが用意されていることもあります。
- プリントビズ:
プリントビズも、「マイページ」の「ご注文履歴」から「再注文」が可能です。ウェブサイトには「増刷・再注文について」という詳細なガイドページがあり、非常に分かりやすく説明されています。データ保管期間についても言及されており、通常は一定期間(例:1年間)保存されることが示唆されています。再注文時には、前回の注文内容が自動で反映されるため、入力の手間が省けます。
このように、多くのネット印刷会社が増刷・再注文の利便性を高めるためのシステムを提供しています。共通しているのは、マイページの注文履歴から手軽に再注文ができる点、そしてデータ保管期間が設定されている点です。利用する際は、必ずご自身の利用履歴や、各社のデータ保管期間、そしてデータ修正に関する規定を確認することが、トラブルなくスムーズに増刷を行うための鍵となります。
増刷・再注文でよくある質問
ネット印刷の増刷・再注文に関して、多くの方が抱く疑問をQ&A形式でまとめました。これらの情報が、あなたがスムーズに印刷物を手配する際の一助となれば幸いです。
増刷とは何ですか?
増刷とは、一度印刷した内容や仕様と全く同じものを、後から追加で印刷することです。主に、初回に注文した印刷物の在庫が不足したり、需要が増えたりした場合に行われます。例えば、名刺やイベント用チラシ、会社案内パンフレットなどが、予想以上に早くなくなった際に、同じデザインと枚数で再度注文するケースが増刷にあたります。
ネット印刷においては、過去の注文データを利用するため、新たにデータを作成・入稿する手間が省けるのが大きな特徴です。これにより、作業時間の短縮と、初期費用(版代など)の削減が期待できます。多くのネット印刷会社では、「再注文」や「リピート注文」といった名称でこのサービスが提供されています。
増刷と重版の違いは何ですか?
「増刷」と「重版」は混同されやすい言葉ですが、明確な違いがあります。
- 増刷:
前回と全く同じ内容・仕様で、印刷物を追加で刷ることを指します。デザインやテキストに変更は一切加えません。例:在庫がなくなった名刺を、前回と同じデザインで追加発注する。
- 重版:
主に書籍出版の世界で使われる用語で、発行した書籍の売れ行きが好調なため、内容の一部を修正したり、誤字脱字を直したりした上で、再度印刷することを指します。つまり、何らかの「修正」や「改訂」が加えられる点が、増刷との決定的な違いです。修正が入るため、オフセット印刷の場合は新たに版を作り直す必要があり、増刷よりも手間や費用がかかることが一般的です。
ネット印刷で利用者が追加注文を行う場合は、基本的に内容変更がなければ「増刷(または再注文)」、内容を変更する場合は「新規注文」または「データ修正を伴う再注文」として扱われます。
印刷の増刷はデータ入稿が必要ですか?
いいえ、基本的には増刷時に再度データ入稿を行う必要はありません。これが、増刷・再注文の最大のメリットの一つです。多くのネット印刷会社では、一度注文が完了したデータは、利用者のマイページにある注文履歴に紐付けて一定期間保管されています。
増刷を行う際は、マイページから過去の注文履歴にアクセスし、該当する注文を選んで「再注文する」ボタンをクリックするだけで、保存されているデータが利用されます。これにより、データの作成や入稿にかかる手間と時間を大幅に削減できます。ただし、データ保管期間を過ぎてしまっている場合や、データの一部を修正したい場合は、改めてデータ入稿が必要になることがあります。その際は、新規注文と同様の手順を踏むことになりますので注意が必要です。
データ保管期限が過ぎた場合はどうなりますか?
データ保管期限が過ぎた場合、印刷会社に保存されていた過去の注文データは原則として削除されます。この場合、前回と同じ印刷物を増刷したいと思っても、システム上は「新規注文」として扱われることになります。
具体的には、以下の点に注意が必要です。
- 再度データ入稿が必要になる:
データが削除されているため、前回と同じ印刷物であっても、あなたの手元にあるデータ(または再度作成したデータ)を改めて入稿する必要があります。これには、データの再作成や、入稿前のデータチェックなどの手間がかかります。
- 初期費用が発生する可能性:
オフセット印刷の場合、初回注文時に発生した「版代」や「データチェック費用」などが、新規注文扱いとなるため再度発生する可能性があります。デジタル印刷の場合でも、データ処理の初期費用がかかる場合があります。
- 納期が長くなる可能性:
データ入稿からやり直すため、初回注文と同様にデータチェックの時間がかかり、結果的に納期が長くなることがあります。急ぎで必要な場合に間に合わないリスクも高まります。
このような事態を避けるためにも、定期的に増刷する予定のある印刷物については、利用している印刷会社のデータ保管期間を確認し、期間が過ぎる前に増刷をかけるか、ご自身で必ずデータのバックアップを取っておくことを強くおすすめします。そうすることで、データ保管期限が過ぎても、スムーズに再入稿し、印刷を進めることができます。
まとめ
この記事では、ネット印刷における「増刷」や「再注文」のシステムについて、そのメリットから具体的な方法、そして注意点までを詳しく解説しました。
- 増刷・再注文は、前回と全く同じ内容で追加印刷することであり、コスト削減と納期短縮の大きなメリットがあります。
- データ保管期間は印刷会社によって異なり、期間を過ぎるとデータが削除されるため注意が必要です。
- ラクスル、プリントパック、グラフィックなど主要なネット印刷会社は、マイページから簡単に再注文できるシステムを提供しています。
- データ内容の変更を伴う場合は、基本的に新規注文扱いとなるか、別途修正費用が発生することが多いです。
増刷・再注文を賢く利用することは、あなたの印刷物制作を効率化し、長期的なコストを削減するための重要な鍵となります。手間と費用を最小限に抑えつつ、必要な時に必要なだけ印刷物を手に入れるために、ぜひこのシステムを最大限に活用してください。
まずは、あなたが現在利用している、または利用を検討しているネット印刷会社の公式サイトで、増刷・再注文に関するガイドやFAQを確認してみましょう。特に、データ保管期間と、データ修正に関するポリシーは必ずチェックしてください。これにより、次回の印刷が必要になった際も、迷うことなくスムーズに注文を進められるはずです。
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