会社の資料送付やDM、イベントの案内など、毎日何気なく目にしている封筒。しかし、その「封筒」が、実はあなたの会社の印象を大きく左右する重要な広告媒体だとしたらどうでしょう? 「既存の封筒では物足りない」「もっと会社のブランドを印象付けたいけれど、全面印刷は難しいのでは…?」そうお悩みではありませんか?
ご安心ください! 現代の印刷技術を使えば、封筒のフチまでデザインを広げた「全面印刷(フチなし印刷)」や、写真やイラストも鮮やかに表現できる「フルカラー印刷」が、手軽に実現できるようになりました。これまでの常識を覆す、インパクトのあるオリジナル封筒で、競合に差をつけるチャンスです。
この記事では、封筒の全面印刷のメリットと活用シーンを徹底解説し、あなたのビジネスを次のレベルへと引き上げます。さらに、フルカラー全面印刷に対応したおすすめのネット印刷所を厳選して比較。各社の特徴、価格帯、サービス内容を詳しくご紹介します。
もちろん、気になる料金相場と費用内訳を掘り下げ、費用を抑えるための具体的なヒントもお伝えします。そして、全面印刷ならではのデザインのコツやデータ作成時の注意点、印刷できない部分のルールまで、プロのノウハウを惜しみなく提供。この記事を最後まで読めば、あなたは自信を持って、会社の「顔」となる最高のオリジナル封筒を作成できるようになるでしょう。さあ、あなたの封筒をただの入れ物から「強力な広告塔」へと進化させましょう!
封筒の全面印刷(フチなし印刷)とは?メリットと活用シーン
日々のビジネスにおいて、封筒は単なる書類の入れ物ではありません。送付先の顧客が最初に目にする「会社の顔」であり、ブランドイメージを左右する重要なツールです。中でも「全面印刷」や「フチなし印刷」を施した封筒は、受け取り手に強いインパクトを与え、貴社のブランド力を飛躍的に向上させることができます。ここでは、封筒の全面印刷の基本と、それがビジネスにもたらす具体的なメリット、そして主な活用シーンについて詳しく解説します。
封筒の全面印刷・フチなし印刷の基本
通常の封筒印刷では、封筒の端から数ミリ〜1cm程度の余白(フチ)ができてしまい、その部分にはインクが乗りません。これは、印刷機の構造上、紙を固定するための「くわえしろ」や「のりしろ」といった領域が必要となるためです。しかし、「全面印刷」や「フチなし印刷」と呼ばれる技術を用いることで、この常識を覆し、封筒の端から端までデザインを広げることが可能になります。
全面印刷には、主に2つの方法があります。
- 封筒を「展開した状態」で印刷し、その後製袋(せいたい)する:
封筒の形になる前の紙の状態で印刷するため、絵柄が封筒の端まで途切れることなくデザインできます。これにより、継ぎ目のない美しい全面デザインが実現できます。この方法では、フルカラー印刷が一般的で、写真や複雑なデザインも鮮やかに再現可能です。ただし、既製の封筒に印刷するよりもコストは高くなります。
- 既製の封筒に「フチなし対応印刷」を行う:
一般的な既製の封筒に対して、フチなし印刷が可能な印刷機を使用したり、特殊な印刷工程を踏んだりすることで、できるだけフチを目立たなくさせる方法です。完全にフチがなくなるわけではありませんが、ロゴやデザインを封筒の端近くまで広げたい場合に有効です。
特に「全面ベタ印刷」と呼ばれる、封筒全体を一色で塗りつぶすようなデザインも、この全面印刷技術によって可能になります。これにより、既製の封筒にはない、完全にオリジナルの色や模様を持つ封筒を作成できます。
全面印刷がビジネスにもたらすメリット(ブランディング、訴求力など)
封筒の全面印刷は、単なる見た目の変化に留まらず、貴社のビジネスに大きなメリットをもたらします。
- 強力なブランディング効果:
封筒全体を貴社のブランドカラーやデザインで覆うことで、一目で貴社のものと分かる強烈なブランドアイデンティティを確立できます。受け取った人の記憶に残りやすく、ブランドイメージの浸透に大きく貢献します。これにより、統一されたプロフェッショナルな印象を与え、貴社の信頼性を高めることにもつながります。
- 高い視覚的訴求力と差別化:
一般的な白や茶色の封筒が並ぶ中で、全面印刷された封筒はひときわ目を引きます。写真やイラスト、グラデーションなどを大胆に配置することで、受け取った人の興味を強く引きつけ、開封を促す効果が期待できます。競合他社のDMと差別化を図り、開封率を向上させるための強力なツールとなるでしょう。
- 情報伝達の最大化:
封筒の全面をデザインスペースとして活用できるため、ロゴや社名、住所といった基本情報だけでなく、キャンペーンの告知、商品の写真、サービスの特長、QRコード、SNSアカウントなど、より多くの情報を効果的に配置できます。封筒自体が「小さな広告媒体」として機能し、受け取る前に興味関心を高めることができます。
- プロフェッショナルな印象と信頼感:
細部にまでこだわった全面印刷の封筒は、貴社が顧客への配慮を怠らない、きめ細やかな企業であることを印象付けます。これにより、受け取り側は貴社に対し「丁寧な仕事をする」「信頼できる」というポジティブな感情を抱き、ビジネスにおける信頼関係の構築に貢献します。
- 郵送物開封のモチベーション向上:
デザイン性の高い封筒は、開封する行為自体を楽しく感じさせることがあります。特にDMの場合、「どんな素敵な内容が入っているんだろう?」という期待感を抱かせ、開封へのモチベーションを高める効果も期待できます。
全面印刷封筒の主な活用シーン
封筒の全面印刷は、そのインパクトとブランディング効果から、様々なビジネスシーンで活用されています。以下に代表的な活用シーンをご紹介します。
- DM(ダイレクトメール)送付:
顧客に直接アプローチするDMにおいて、全面印刷は最高の効果を発揮します。新商品やキャンペーンのイメージを全面に打ち出すことで、受け取った人の心を掴み、開封率やコンバージョン率の向上に直結します。通常のDMが埋もれがちな中で、視覚的なインパクトで差別化を図れます。
- 重要書類・契約書送付:
法的な契約書や機密性の高い重要書類を送る際、全面印刷された封筒は貴社の信頼性と権威をより一層際立たせます。デザインと機能性を両立することで、送付物の重要性を強調し、受け取り側に安心感を与えます。
- 会社案内・パンフレット送付:
見込み客や新規顧客に会社案内やパンフレットを送付する際、封筒自体が貴社の企業イメージを伝える媒体となります。コーポレートカラーやロゴを全面に配置することで、一貫したブランド体験を提供し、資料への期待感を高めます。
- イベント・セミナー招待状送付:
イベントやセミナーのテーマカラーやデザインを封筒の全面に施すことで、招待状を受け取る前からイベントの世界観を伝えることができます。特別感を演出し、参加意欲を高める効果が期待できます。
- プロモーション用・ブランディンググッズ:
製品発表時のプレスリリース送付、ノベルティグッズの梱包、特別な顧客へのご挨拶など、企業のブランドイメージを強力にアピールしたい場面で活用されます。封筒そのものが販促ツールとなり、ブランド認知度向上に貢献します。
このように、封筒の全面印刷は、貴社のメッセージをより効果的に伝え、ブランド力を強化するための強力な手段となります。次のセクションでは、実際にフルカラー全面印刷に対応しているネット印刷所を比較検討していきます。
フルカラー封筒の全面印刷に対応したネット印刷所を比較
封筒の全面印刷がビジネスにもたらすメリットを理解したところで、次に気になるのは「どこのネット印刷所がフルカラーの全面印刷に対応しているのか、そしてどこに頼めば良いのか?」という点ではないでしょうか。全面印刷は高度な印刷技術を要するため、全ての印刷所が対応しているわけではありません。ここでは、フルカラーで封筒の全面印刷に対応している主要なネット印刷所を厳選し、それぞれの特徴、価格帯、サービス内容を比較してご紹介します。あなたの目的や予算に合った最適な印刷所を見つけてください。
ラクスル(特徴、価格帯、おすすめポイント)
ラクスル
ラクスルは、テレビCMでもおなじみの国内最大手ネット印刷所です。圧倒的な低価格と手軽な注文プロセスが特徴で、全面印刷にも対応しています。特にコストを重視する企業におすすめです。
- 特徴:
- 業界最安値クラスの価格:フルカラーの全面印刷においても、非常に競争力のある価格設定を提供しています。特にまとまった部数では、1枚あたりの単価が非常にリーズナブルになります。
- スピーディーな納期:最短1営業日出荷に対応しており、急ぎの場合でも迅速に手元に届きます。
- 簡単な注文プロセス:ウェブサイトの操作が非常に直感的で分かりやすく、デザインデータがない方でも、Web上で簡単にデザインを作成できるツールが利用可能です。
- 豊富な封筒サイズ:長3、角2など、主要なサイズの封筒で全面印刷に対応しています。
- 全国送料無料:追加の送料を気にせず利用できるのも大きなメリットです。
- 価格帯:とにかく費用を抑えたい場合に最適な、非常にリーズナブルな価格設定です。
- おすすめポイント:
- 「フルカラーで、とにかく安く、早く全面印刷封筒が欲しい!」という方に最もおすすめです。
- 初めて封筒の全面印刷を依頼する方や、デザイン制作に手間をかけたくない方でも、手軽に高品質な封筒を作成できます。
- スタートアップ企業や中小企業で、コストを抑えつつインパクトのあるDMや資料送付用封筒を作りたい場合に最適です。
プリントアース(特徴、価格帯、おすすめポイント)
プリントアース
プリントアースは、「激安印刷」を掲げているネット印刷所で、特にコストを徹底的に抑えたい場合に有力な選択肢となります。フルカラーの全面印刷にも対応しており、費用対効果を重視するユーザーにおすすめです。
- 特徴:
- 驚きの低価格:業界内でも特に安価な価格設定が特徴で、大量部数のフルカラー全面印刷でも費用を抑えられます。
- 全面ベタ印刷対応:封筒全体を特定の色やデザインで塗りつぶす「全面ベタ印刷」にも対応しており、インパクトのある封筒が作成可能です。
- シンプルで分かりやすい料金体系:ウェブサイトで簡単に見積もりを確認でき、予算計画が立てやすいです。
- 多様な封筒の種類:長3、角2など主要なサイズの封筒で全面印刷に対応。
- 価格帯:とにかくコストを最優先したい場合に最適な、非常に安価な価格設定です。
- おすすめポイント::
- 「フルカラーで封筒の全面印刷を、どこよりも安く実現したい!」というコスト最優先のニーズに特におすすめです。
- 大量に送るDMや、イベント用のプロモーション封筒など、インパクトを出しつつ費用を抑えたい場合に最適です。
- 費用を最小限に抑えつつ、フルカラーの表現力を活用したい企業に。
封筒印刷製作所(特徴、価格帯、おすすめポイント)
封筒印刷製作所
封筒印刷製作所は、その名の通り封筒印刷に特化した専門業者です。フルカラーの全面印刷にも対応しており、封筒に関する専門的な知識と豊富なバリエーションが魅力です。品質と細かなニーズに対応したい場合に適しています。
- 特徴:
- 封筒印刷の専門性:封筒の種類、紙質、加工に関する専門的な知識とノウハウが豊富です。全面印刷の特性を理解した上での提案が期待できます。
- 幅広い封筒ラインナップ:長3、角2はもちろん、マチ付き封筒や透けない封筒、豊富なカラー封筒など、多種多様な封筒に全面印刷が可能です。
- 高品質な仕上がり:封筒専門業者ならではの、きめ細やかな品質管理と印刷技術が強みです。
- オーダーメイド対応:既製封筒への印刷だけでなく、フルオーダーでの封筒作成も相談可能です。
- 価格帯:専門性や品質、幅広い選択肢を考慮すると、適正な価格設定です。他の業者より高くなる場合もありますが、特定の機能やデザインを求める場合に価値を発揮します。
- おすすめポイント:
- 「封筒の種類や紙質、加工にこだわり、オリジナリティあふれる全面印刷封筒を作りたい!」という専門的なニーズがある場合に最適です。
- 会社のブランドイメージを徹底的に追求し、既製封筒では難しいデザインを実現したい場合に強くおすすめできます。
- 封筒に関する深い知見と、きめ細やかな対応を求める方に。
封筒の達人(特徴、価格帯、おすすめポイント)
封筒の達人
封筒の達人もまた、封筒印刷に特化した専門業者です。全面印刷(フチなし印刷)にも対応しており、豊富な実績と信頼性で、特に大規模なDM発送などを手掛ける企業に選ばれています。
- 特徴:
- 全面印刷(フチなし印刷)に強い:封筒の端までインクが乗るフチなし印刷に特化しており、デザインの自由度が高い封筒が作成可能です。
- 多様な封筒と加工:長3、角2などの定番サイズはもちろん、窓付き封筒や、口糊加工など、様々なオプションに対応しています。
- 大量部数に対応:大規模なDM発送や、定期的な大量発注にも柔軟に対応できる体制を整えています。
- デザインサポート:全面印刷特有のデータ作成に関するサポートも期待できます。
- 価格帯:品質と全面印刷の専門性を考慮すると、中価格帯〜高価格帯になりますが、大量部数での単価は競争力があります。
- おすすめポイント:
- 「封筒全体を使ったインパクトのあるデザインを実現したい!」という方に最適です。
- 大規模なDMキャンペーンや、ブランディングを目的とした高品質なフルカラー封筒を検討している企業におすすめです。
- 全面印刷の専門知識を持つ業者に安心して任せたい場合に。
※上記は一般的な情報に基づいた比較です。最新の価格やサービス内容は、各社の公式サイトで必ずご確認ください。また、時期やキャンペーンによって価格が変動する場合があります。
目的別のおすすめ印刷所(品質重視、価格重視、デザインサポートなど)
ここまでご紹介した印刷所は、それぞれ異なる強みを持っています。あなたのフルカラー全面印刷封筒の目的によって、最適な印刷所は変わってきます。以下に目的別のおすすめをまとめました。
- 「フルカラーで、とにかく安く、早く全面印刷封筒が欲しい!」【価格・短納期重視派】:
ラクスルが最も有力な候補となるでしょう。スピードとコストパフォーマンスを両立します。 - 「フルカラーの全面印刷を、徹底的にコストを抑えて実現したい!」【最安値重視派】:
プリントアースを検討してみましょう。非常に安価な価格設定が魅力です。 - 「封筒の品質やデザイン、特殊な機能にもこだわりたい!」【品質・専門性重視派】:
封筒印刷製作所が最適です。封筒専門業者ならではの豊富な知識と対応力で、複雑なニーズにも応えてくれます。 - 「封筒全体を使ったインパクトあるデザインで、ブランディングを強化したい!」【ブランディング・インパクト重視派】:
封筒の達人がおすすめです。全面印刷に特化したノウハウで、効果的な封筒を作成できます。
これらの比較を参考に、ご自身の予算、納期、品質へのこだわり、そして封筒の用途などを考慮して最適な印刷所を選んでください。多くの業者では無料の資料請求やサンプル請求も可能ですので、実際に紙質や印刷品質を確認してみるのも良いでしょう。次のセクションでは、全面印刷封筒の料金相場と費用内訳について詳しく解説していきます。
全面印刷封筒の料金相場と費用内訳
フルカラーの全面印刷封筒は、その視覚的なインパクトから高いブランディング効果が期待できますが、気になるのはやはり「費用」です。通常の封筒印刷よりも高度な技術を要するため、料金相場も変動します。ここでは、全面印刷封筒の一般的な価格帯と、費用を左右する主な要因、そしてコストを抑えるためのヒントについて詳しく解説します。
全面印刷封筒のおおよその価格相場
全面印刷封筒の料金は、封筒のサイズ、紙の種類、印刷色(フルカラーかモノクロか)、部数、加工オプションなどによって大きく異なります。そのため一概に「いくら」とは言えませんが、一般的な目安としては以下のようになります。
- 長3全面印刷封筒(フルカラー・通常紙)の場合:
- 100枚:1枚あたり80円〜180円程度
- 500枚:1枚あたり20円〜60円程度
- 1,000枚:1枚あたり10円〜40円程度
- 5,000枚:1枚あたり5円〜20円程度
- 角2全面印刷封筒(フルカラー・通常紙)の場合:
- 100枚:1枚あたり120円〜250円程度
- 500枚:1枚あたり40円〜90円程度
- 1,000枚:1枚あたり20円〜60円程度
- 5,000枚:1枚あたり10円〜40円程度
上記は印刷代のみの概算であり、これにデザイン費用、送料、(必要な場合)宛名印刷費用、封入代行費用などが加算されます。特に部数がまとまるほど、1枚あたりの単価は大きく下がります。全面印刷は通常印刷より単価が高くなる傾向がありますが、そのブランディング効果を考慮すれば十分投資価値があると言えるでしょう。
多くのネット印刷業者では、ウェブサイト上で詳細な料金シミュレーターを提供しているので、具体的な条件を入力して見積もりを比較することをおすすめします。
料金を左右する主な要因(サイズ、紙の種類、印刷色、部数、加工)
全面印刷封筒の最終的な費用は、以下の複数の要因が複雑に絡み合って決定されます。それぞれの要因を理解し、適切に選択することがコスト最適化の鍵となります。
① 封筒のサイズ
封筒のサイズが大きくなるほど、使用する紙の量が増えるため、基本的な印刷費用は高くなります。特に全面印刷の場合、インクの使用量も増えるため、その影響は大きくなります。また、長3封筒は定形郵便物、角2封筒は定形外郵便物となるため、郵送費用もサイズによって変動します。
② 紙の種類と厚さ
全面印刷に適した紙は、インクの発色が良く、裏写りしにくいものが選ばれます。一般的なクラフト紙やケント紙は比較的安価ですが、全面ベタ印刷で透けを避けたい場合は、厚手の紙や、内側に地紋印刷が施された「透けない封筒」を選ぶと良いでしょう。これらの特殊な紙や厚手の紙は、通常紙よりも費用が高くなります。
③ 印刷色数(フルカラーかモノクロか)
全面印刷の最大の魅力はフルカラーでの表現ですが、やはりモノクロ印刷に比べてフルカラー印刷の方が費用は高くなります。特に全面に写真やイラスト、グラデーションなどを入れる場合はフルカラーが必須となります。企業のブランドカラーやロゴが単色で、全面をその色で塗りつぶす「全面ベタ印刷」であれば、特色(DIC/PANTONEなど)1色印刷を選択することで、フルカラーよりもコストを抑えつつ、インパクトを出すことも可能です。
④ 印刷部数
これは印刷費用に最も大きく影響する要素です。部数が多ければ多いほど、1枚あたりの単価は劇的に安くなります。全面印刷は通常の印刷よりも初期費用(製版代や機械設定費など)がかかる傾向があるため、特に少部数だと1枚あたりの単価が割高になります。長期的な利用を見越して、ある程度の部数をまとめて発注することで、単価を大幅に下げることが可能です。
⑤ 加工オプション
全面印刷封筒に様々な加工を追加すると、その分費用が加算されます。例えば、以下のような加工があります。
- 窓付き加工:請求書などで宛名部分を窓から見せることで、宛名印刷の手間を省けます。全面印刷と組み合わせることで、効率性とデザイン性を両立できますが、窓加工の費用が追加されます。
- 口糊加工(テープ付き、グラシン糊など):封をする手間を省くための加工。業務効率は上がりますが、追加費用が発生します。
- 特色印刷:通常のCMYKカラーでは表現できない特定の色(企業のロゴの指定色など)を使用する場合、特色インクを使用するため費用が高くなります。
- エンボス加工や箔押し:ロゴや文字に立体感や光沢を与える特殊加工。高級感を演出できますが、費用は大幅に上がります。
これらの加工は封筒の魅力を高めますが、予算と相談し、本当に必要なものに絞り込むことが賢明です。
費用を抑えるためのヒント
全面印刷封筒の費用は高くなりがちですが、以下のヒントを実践することで、コストを賢く抑えることが可能です。
- 複数の印刷業者で見積もりを比較する:
同じ条件でも印刷所によって料金は大きく異なります。必ず複数のネット印刷所の料金シミュレーターを利用し、費用を比較検討しましょう。中には、全面印刷やフルカラー印刷に特化したキャンペーンを実施している業者もあります。
- 納期に余裕を持つ:
急ぎの注文は特急料金がかかります。DMや資料送付のスケジュールを早めに立て、余裕を持った納期(「ゆったり納期」や「長期納期」など)を選ぶことで、大幅な割引が適用されるケースが多いです。
- デザインデータは完全データで入稿する:
自分で正確なデータを作成し、印刷所のテンプレートを活用することで、データ不備による修正費用をなくせます。デザイン料やDTP費用を削減できる大きなポイントです。
- 既製封筒への印刷を選ぶ:
ゼロから封筒を製造するフルオーダーではなく、印刷所が用意している既製の封筒に全面印刷を行う方が、大幅に安価です。特にこだわりがなければ、既製封筒への印刷を選びましょう。
- 印刷色数を絞る(ベタ1色なども検討):
写真や複雑なイラストが不要であれば、フルカラーではなく、企業のブランドカラー1色で全面ベタ印刷を行うだけでも、十分にインパクトとブランディング効果が得られます。これにより、大幅なコスト削減が可能です。
これらのヒントを実践することで、費用を賢く抑えながら、貴社のビジネスに貢献する高品質な全面印刷封筒を実現できるでしょう。次のセクションでは、全面印刷封筒のデザインとデータ作成における具体的な注意点について解説していきます。
全面印刷封筒のデザインとデータ作成の注意点
フルカラーで封筒全面にデザインを施すことは、非常に効果的なブランディング戦略ですが、同時に通常の印刷物にはない特有の注意点が存在します。これらのポイントを理解し、正確にデータを作成することで、印刷トラブルを避け、意図通りの美しい仕上がりを実現できます。
全面デザインのコツと避けたいNG例
封筒の全面をキャンバスとして活用するからこそ、デザインには工夫が必要です。受け取った人に良い印象を与え、貴社のメッセージを効果的に伝えるためのコツと、避けるべきNG例を見ていきましょう。
- デザインの「主役」を明確にする:
全面を自由に使えるからといって、情報を詰め込みすぎたり、要素を増やしすぎたりすると、かえってごちゃごちゃした印象になり、最も伝えたいメッセージが埋もれてしまいます。ロゴや会社のブランドカラー、メインのビジュアルなど、デザインの主役を明確にし、シンプルかつインパクトのある構成を心がけましょう。余白を効果的に使うことで、洗練された印象を与えることも可能です。
- ブランドイメージとの一貫性:
封筒のデザインは、名刺、会社案内、ウェブサイトなど、貴社の他の広報物と一貫性を持たせることが重要です。これにより、統一されたブランドイメージを構築し、顧客に「貴社らしさ」を強く印象付けることができます。コーポレートカラーやロゴの配置ルールなどを守りましょう。
- フルカラーの特性を活かす:
写真、グラデーション、複雑なイラストなど、フルカラーならではの表現を最大限に活かしましょう。ただし、写真の解像度が低いと印刷時に粗くなるため、高解像度の画像素材を使用することが必須です。印刷に適した解像度(300~350dpi)の画像を選びましょう。
- 避けたいNG例:
- 全面ベタ塗りのしすぎ:特に紙質の悪い封筒に全面ベタ塗りをすると、インクがにじんだり、ムラが出たり、紙が反ったりする可能性があります。また、インクの使用量が多くなり、コストもかさみます。
- 郵便番号枠や切手貼付位置への配慮不足:これらは郵便局の機械が読み取る重要な部分であり、デザインが重なると配達に支障が出たり、追加料金が発生したりします。必ず印刷所のテンプレートやガイドラインに従い、これらのエリアは避けてデザインしましょう。
- 細かすぎるデザイン:小さい文字や細い線、複雑すぎる模様は、印刷時に潰れたり、読みにくくなったりする可能性があります。特に封筒の端に近い部分や、折り目にかかる部分は注意が必要です。
- 透けやすいデザイン:薄い紙に濃い色で全面印刷すると、中身が透けて見えることがあります。特に個人情報や機密性の高い書類を封入する場合は、透けない紙を選ぶか、内側に地紋印刷を施すなどの対策を検討しましょう。
印刷できない部分と注意すべきエリア
封筒の全面印刷といっても、実際には印刷が難しい、あるいは避けるべきエリアが存在します。これらを理解してデザインすることが、トラブルなく高品質な封筒を制作するための鍵です。
- くわえしろ(給紙部分):
印刷機が紙をくわえて搬送するために必要な部分で、通常、封筒の端から5mm〜10mm程度の範囲には印刷できません。デザインデータを作成する際は、このくわえしろ部分に重要なデザイン要素や色が来ないように注意が必要です。フチなし印刷を実現するためには、封筒を「展開した状態」で印刷し、後から製袋する方法が取られますが、その場合でも製袋の都合でフチが多少白くなる場合があります。
- のりしろ(糊付け部分):
封筒を組み立てるために糊付けする部分には、印刷ができません。ここにインクが乗ると、糊の接着が悪くなったり、インクが剥がれたりする原因になります。デザインの際には、のりしろ部分も避けてレイアウトを調整しましょう。
- フタ部分(ベロ):
封筒のフタ(ベロ)部分は、折れ曲がる部分であり、また糊付けされる部分でもあります。特に口糊加工(テープ付き糊など)を施す場合は、その部分に印刷できないことがあります。デザインする際は、フタ部分全体をデザインに含めるか、含めないかを事前に決め、印刷所の指示に従いましょう。
- 郵便番号枠とバーコード表示エリア:
郵便番号枠や、郵便料金の割引を受けるための「郵便カスタマーバーコード」の表示エリアは、郵便局の機械で正確に読み取られる必要があります。これらのエリアに文字やデザインが重なると、配達遅延や追加料金発生の原因となります。この部分は基本的に白抜きにするか、デザインを配置しないようにしましょう。印刷所から提供されるテンプレートには、これらのエリアが明確に示されています。
- 窓付き封筒の場合の窓枠:
窓付き封筒に全面印刷を行う場合、窓枠部分にはもちろん印刷できません。窓枠のフチにデザイン要素がギリギリで接していると、印刷のズレで意図しない部分が欠けたり、窓のフチが不自然になったりする可能性があります。窓の周囲には、ある程度の余白(セーフティゾーン)を設けてデザインすることが賢明です。
データ入稿の基本とテンプレート活用
これらの注意点を踏まえ、印刷トラブルを防ぐためのデータ入稿の基本と、テンプレートの活用方法を再確認しましょう。
- 完全データ入稿の徹底:
印刷所は入稿されたデータをそのまま印刷するため、「完全データ」での入稿が必須です。具体的には、前述の「カラーモードCMYK」「解像度300〜350dpi」「フォントのアウトライン化」「塗り足し設定」などを厳守しましょう。これらが守られていないと、印刷所でのデータ修正が必要となり、追加費用が発生したり、納期が遅延したりする原因となります。
- 印刷所のテンプレートを必ず活用する:
ほとんどのネット印刷所は、封筒のサイズごとに、デザインソフト用のテンプレート(Illustratorなど)を無料で提供しています。このテンプレートには、仕上がり線、塗り足し、セーフティゾーン、そして印刷できないエリアや窓の位置、糊付け部分などがレイヤー分けされて表示されています。これを利用することで、複雑な封筒のデータ作成が格段に容易になり、データ不備のリスクを大幅に減らせます。迷ったら、必ずテンプレートをダウンロードして使用しましょう。
- PDFデータでの最終確認:
入稿前に、作成したデータをPDF形式で書き出し、最終確認を行うことを強く推奨します。PDFは印刷の仕上がりをほぼ忠実に再現してくれるため、文字化け、画像の抜け、色味の変化、レイアウト崩れがないか、隅々まで確認できます。可能であれば、実寸でプリントアウトして確認すると、より確実です。
- 疑問点は印刷所に問い合わせる:
データ作成や入稿に関して少しでも不安な点があれば、迷わず印刷所に問い合わせましょう。プロのスタッフが丁寧に教えてくれます。自己判断で進めて後から大きな問題になるよりも、事前に確認する方が賢明です。
これらのデザインとデータ作成の注意点を押さえることで、貴社のブランディング力を最大限に引き出す、高品質な全面印刷封筒をトラブルなく作成できるでしょう。最終セクションでは、全面印刷封筒に関するよくある質問をQ&A形式でまとめます。
よくある質問(FAQ)
封筒に全面印刷はできますか?
はい、封筒に全面印刷(フチなし印刷)をすることは可能です。従来の封筒印刷ではフチに余白ができていましたが、特殊な印刷技術や工程を用いることで、封筒の端から端までデザインを広げられます。
主に、「封筒の形になる前の紙の状態で印刷し、その後製袋(組み立て)する方法」と、「既製の封筒に対してフチなし対応印刷を行う方法」があります。前者はより自由なデザインが可能ですが、後者の方がコストを抑えられる場合があります。詳細は記事内の「封筒の全面印刷・フチなし印刷の基本」で解説しています。
封筒の全面に印刷することは難しいですか?
ご自身で家庭用プリンターなどを使って封筒の全面に印刷するのは難しいです。プリンターの構造上、紙を固定する「くわえしろ」や「のりしろ」といった印刷できない部分があるため、フチなし印刷は専門の印刷業者でしか安定して行うことができません。
また、家庭用プリンターでは、全面にインクを塗布した場合にインクがにじんだり、ムラになったり、紙が反ってしまったりするリスクも高まります。高品質な全面印刷を求める場合は、専用の設備を持つネット印刷業者への依頼を強くおすすめします。記事内の「自宅プリンターでの印刷の可否と注意点」も参考にしてください。
封筒全面印刷の注意点は?
封筒の全面印刷を依頼する際には、主に以下の点に注意が必要です。
- 印刷できない部分がある:印刷機の構造上、「くわえしろ」や「のりしろ」といった部分は印刷できません。また、郵便番号枠やバーコード表示エリアも、郵便局の規定によりデザインを避けるべきです。
- データ作成が複雑:上記のような印刷できない部分を考慮し、正確なデータを作成する必要があります。色モード(CMYK)、解像度(300〜350dpi)、フォントのアウトライン化、塗り足しなどの基本ルールを厳守しましょう。
- デザインのバランス:全面をデザインできるからといって情報を詰め込みすぎると、ごちゃごちゃした印象になり、かえって視認性が低下します。シンプルかつインパクトのあるデザインを心がけましょう。
これらの注意点については、記事内の「全面印刷封筒のデザインとデータ作成の注意点」で詳しく解説しています。
封筒の印刷できない部分はどこですか?
封筒の印刷できない主な部分は以下の通りです。
- くわえしろ:印刷機が紙を固定するために必要な部分で、通常封筒の端から5mm〜10mm程度の範囲は印刷できません。
- のりしろ:封筒を組み立てるための糊付け部分で、インクが乗ると接着不良の原因になるため印刷を避けます。
- フタ部分(ベロ):口糊加工を施す場合、その部分には印刷できません。
- 郵便番号枠:郵便物の自動処理のために、正確な位置に枠を配置し、その範囲内には文字やデザインを入れないのが基本です。
- 郵便カスタマーバーコード表示エリア:郵便料金割引を受ける場合に表示するバーコードの周囲にも、他のデザイン要素が重ならないように余白が必要です。
印刷所のテンプレートには、これらの印刷できないエリアが明記されていますので、データ作成時に必ず参照しましょう。
まとめ
本記事では、封筒の全面印刷について、そのメリットや活用シーンから、フルカラー全面印刷に対応したおすすめネット印刷所、料金相場、そしてデザイン・データ作成時の注意点まで、網羅的に解説しました。
最後に、フルカラー全面印刷封筒を成功させ、貴社のビジネスを加速させるための重要なポイントをまとめます。
- 封筒の全面印刷は、強力なブランディング効果、高い視覚的訴求力、情報伝達の最大化など、ビジネスに大きなメリットをもたらします。
- ラクスル(価格・短納期重視)、プリントアース(最安値重視)、封筒印刷製作所(品質・専門性重視)、封筒の達人(ブランディング・インパクト重視)など、目的に合った印刷所を選びましょう。
- 料金は部数が多いほど単価が下がり、サイズ、紙の種類、印刷色、加工によって変動します。複数の見積もり比較と納期に余裕を持つことが費用削減の鍵です。
- デザイン時は、主役を明確にし、ブランドイメージと一貫性を持たせることが重要です。写真の解像度やカラーモード(CMYK)にも注意しましょう。
- 印刷できない「くわえしろ」「のりしろ」や、郵便番号枠・バーコードエリアを考慮したデータ作成が必要です。印刷所のテンプレート活用が必須です。
封筒の全面印刷は、単なる郵送のツールを超え、貴社の「動く広告塔」となり得ます。受け取った人の記憶に鮮烈な印象を残し、ビジネスチャンスを広げるために、ぜひフルカラーの全面印刷封筒の導入を検討してみてください。この記事で得た知識を活かし、まずは気になるネット印刷業者のウェブサイトで詳細を確認したり、料金シミュレーションを試したりして、貴社オリジナルの封筒作成の一歩を踏み出しましょう!
コメント