「イベント用のチラシ、どこで印刷すれば一番安いの?」
「A4チラシ1000枚って、だいたいいくらくらいかかるんだろう…?」
商品やサービスのプロモーション、イベント告知、新規顧客獲得など、ビジネスにおいてチラシやフライヤーは今も昔も強力な集客ツールです。しかし、いざ印刷をしようとすると、印刷会社がたくさんあって、どこに依頼すれば良いのか迷ってしまいますよね。特に、「料金はなるべく安く抑えたいけど、品質も妥協したくない」という方は多いのではないでしょうか。
この記事は、そんなあなたの悩みを解決するために生まれました。
本記事では、A4・B5サイズのチラシ・フライヤー印刷に焦点を当て、「1000枚あたりの料金相場」を徹底的に比較。数あるネット印刷サービスの中から、費用対効果の高いおすすめ業者を厳選してご紹介します。
さらに、
- チラシ印刷の料金を左右する要素(用紙、色数、納期など)
- 印刷会社を比較する際の重要なポイント
- デザイン費用を安く抑える方法
- 急ぎの場合の納期
についても詳しく解説します。この記事を読めば、もうチラシ印刷の料金や業者選びで迷うことはありません。あなたの予算とニーズにぴったりの印刷サービスが見つかり、効果的なプロモーションを実現できるはずです。さあ、賢く、お得に、最高のチラシを印刷しましょう!
チラシ・フライヤー印刷の料金相場
チラシやフライヤーの印刷を検討する際、最も気になるのが「結局いくらかかるの?」という料金相場ではないでしょうか。特に、大量部数を印刷するとなると、少しの単価の違いが総額に大きく響いてきます。ここでは、A4・B5サイズで1000枚印刷する際の料金目安と、その料金が何によって変動するのかを詳しく見ていきましょう。
A4/B5サイズ1000枚あたりの料金目安
まず結論からお伝えすると、A4またはB5サイズのチラシ・フライヤーを1000枚印刷する場合、一般的なネット印刷サービスを利用すれば、片面カラー・標準的なコート紙90kgで4,000円〜8,000円程度が相場となります。
ただし、これはあくまで目安であり、印刷会社や選択するオプションによって価格は大きく変動します。例えば、オフセット印刷を主力とする大手印刷通販サービスでは、コストパフォーマンスに優れる傾向があります。一方で、より迅速な対応を売りにするサービスや、特殊な加工を多く提供するサービスでは、やや高価になることもあります。
具体的な価格帯の例を挙げると、
- 最安値帯(4,000円〜6,000円):納期に余裕があり、用紙や加工に特別なこだわりがなければ、この価格帯で高品質なチラシが手に入ります。特にキャンペーン期間中などを狙うとさらに安価になることがあります。
- 標準価格帯(6,000円〜8,000円):一般的な納期で、ある程度の用紙オプションや加工を選びたい場合に適しています。多くの印刷会社がこの価格帯でサービスを提供しています。
- やや高価な価格帯(8,000円〜):特急便を利用したい場合や、厚手の特殊紙、PP加工、箔押しなどの特殊加工を施したい場合にこの価格帯になることがあります。
「1000枚印刷」というのは、多くの場合、単価が下がり始める経済的なロット数とされています。これより少ない枚数だと割高になりがちで、これより多くなるとさらに単価が安くなる傾向があります。
料金に影響する要素(用紙、色数、納期など)
チラシ・フライヤー印刷の料金は、単純な「枚数」だけで決まるわけではありません。以下の要素が複雑に絡み合い、最終的な費用を形成します。これらの要素を理解し、適切に選択することで、予算に合わせた印刷が可能です。
① 用紙の種類と厚さ
印刷物の「顔」とも言える用紙は、料金に大きく影響します。主な用紙は以下の通りです。
- コート紙・マットコート紙:最も一般的で安価です。光沢のある「コート紙」と、光沢を抑えた「マットコート紙」があり、写真やイラストを鮮やかに表現できます。
- 上質紙:コピー用紙のような非加工の紙で、筆記性に優れています。コート紙・マットコート紙に比べてやや高価になることがあります。
- 特殊紙:ヴァンヌーボ、レザック、アラベールなど、独特の質感や風合いを持つ紙です。高級感や個性を出したい場合に最適ですが、料金は大幅に高くなります。
また、用紙の「厚さ(連量)」も料金に影響します。一般的には90kg〜110kgがチラシによく使われる厚さです。数字が大きくなるほど厚くなり、それに伴い料金も上がりますが、しっかりとした高級感を演出できます。
② 色数(片面/両面、モノクロ/カラー)
印刷の色数も料金を左右する大きな要因です。
- 片面カラー/両面カラー:両面印刷の方が片面印刷よりも高価になります。また、全面フルカラー印刷は、モノクロ印刷よりも高価です。
- モノクロ/1色刷り:情報量が少ないチラシや、コストを最大限に抑えたい場合に選ばれます。カラーに比べて大幅に安価になります。
費用を抑えたい場合は、必要な情報が片面カラーで収まるか、あるいは一部をモノクロにするなど、色数を検討するのも一つの手です。
③ 納期
印刷の納期も料金に直結します。基本的には「納期が長いほど安く、納期が短いほど高くなる」傾向があります。
- 通常納期(5日〜7日営業日程度):最もリーズナブルな価格設定です。
- 短納期・特急便(翌日〜3日営業日程度):急ぎで必要な場合に便利ですが、追加料金が発生します。
- 当日発送:一部の印刷会社では対応していますが、最も高額なオプションとなります。
計画的に発注することで、納期による追加料金を避けることが可能です。
④ 加工の種類
チラシに特殊な加工を施すことで、目を引く効果や高級感を出すことができますが、その分追加料金が発生します。
- 折り加工:二つ折り、三つ折り、観音折りなど、様々な折り方があります。情報量を多く見せたり、コンパクトにしたりする際に利用されます。
- PP加工(プレスコート加工):表面に透明なフィルムを貼る加工で、耐久性を高め、光沢(グロスPP)またはツヤ消し(マットPP)の質感を加えます。
- ミシン目加工:クーポン券や応募用紙など、切り離して使う部分がある場合に便利です。
- その他:型抜き(ダイカット)、箔押し、エンボス加工など、さらに特殊な加工は費用も高くなりますが、強いインパクトを与えられます。
これらの加工は、デザインの目的と予算を考慮して慎重に選びましょう。
⑤ データの入稿方法
印刷会社によって異なりますが、自分で作成した完全データ(Illustratorなど)で入稿する場合と、印刷会社のテンプレートやオンラインエディターを利用する場合で、料金や手間が変わることがあります。
- 完全データ入稿:最も一般的で、料金も標準的です。データ作成には専門知識が必要です。
- テンプレート利用・オンライン作成:デザイン費用を抑えたい場合や、デザインツールがない場合に便利です。ただし、テンプレートによってはカスタマイズの自由度が限られることがあります。
これらの要素を複合的に考慮し、ご自身のニーズに最も合ったプランを選ぶことが、最適なチラシ印刷を実現する鍵となります。
チラシ印刷会社を料金で比較する際のポイント
前章でチラシ印刷の料金相場と、価格を左右する様々な要因について理解を深めていただけたと思います。しかし、実際に印刷会社を選ぶとなると、各社の料金体系やオプションが複雑で、どこを比較すればいいのか迷ってしまう方もいるでしょう。ここでは、数ある印刷会社の中から、あなたの予算とニーズに最適な一枚を見つけるための比較ポイントを具体的に解説します。
基本料金以外の費用(送料、手数料など)の確認
多くの印刷会社がウェブサイト上で提示している料金は、最低限の「基本料金」であることがほとんどです。しかし、その金額だけで判断すると、後から思わぬ追加費用が発生し、結果的に予算オーバーになってしまうことがあります。
チラシ印刷の費用を比較する際には、基本料金以外の項目にも目を光らせることが重要です。特に確認すべきは以下の点です。
- 送料:ほとんどの印刷会社で発生する費用です。地域によって送料が異なる場合や、一定金額以上の注文で送料無料になるサービスもあります。複数箇所への分納が必要な場合は、その分の送料も確認しましょう。
- 手数料:支払い方法(銀行振込、クレジットカード、コンビニ払いなど)によって手数料が発生する場合があります。また、データチェック料や、データ修正が必要になった場合の修正料が別途かかるケースもあります。
- 消費税:表示価格が税抜きか税込みかを確認しましょう。特に、個人事業主や小規模ビジネスの場合、税込み価格で予算を把握しておくことが大切です。
- 特急料金:急ぎで印刷が必要な場合、通常納期よりも早く仕上げるための「特急料金」が発生します。これが意外と高額になることもあるため、急ぎの場合は必ず事前に確認しましょう。
例えば、「A社は基本料金が安いけれど、送料が高い」「B社は基本料金は平均的だけど、データチェックが有料」といった違いがあります。最終的な「総額」で比較することが、賢い業者選びの第一歩です。見積もりシミュレーターがある場合は、希望の条件で一度最後までシミュレーションしてみることをおすすめします。
部数ごとの単価の違い
チラシ印刷の料金体系には、「部数が増えるほど1枚あたりの単価が安くなる」という明確な特徴があります。これは、印刷機を動かす準備(版の作成やインクの調整など)にかかる「初期費用」が、部数に関わらず一定だからです。
例えば、同じA4サイズのチラシでも、
- 100枚:1枚あたり20円〜30円
- 1,000枚:1枚あたり4円〜8円
- 10,000枚:1枚あたり1円〜2円
といったように、部数が増えるごとに単価は劇的に下がっていきます。これは、大量印刷に適した「オフセット印刷」を採用している印刷会社に顕著な傾向です。
この特性を理解し、今後の配布計画やイベントスケジュールを考慮して、最適な部数を検討することが、結果的に印刷コストを抑える上で非常に重要になります。必要最低限の枚数だけを都度発注するよりも、ある程度のロットでまとめて発注する方が、長期的に見てコストパフォーマンスが高くなることが多いです。
ただし、「多ければ多いほど良い」というわけでもありません。在庫スペースや情報の鮮度も考慮し、「使い切れる範囲で最も単価が安くなる部数」を見極めるのが賢い選択と言えるでしょう。各社の料金シミュレーターで、様々な部数を入力して比較してみることをおすすめします。
キャンペーンや割引情報のチェック
多くのネット印刷サービスでは、新規顧客獲得や特定時期の需要喚起のため、様々なキャンペーンや割引を実施しています。これらをうまく活用することで、通常価格よりも大幅に安くチラシを印刷できる可能性があります。
チェックすべき項目は以下の通りです。
- 初回割引:初めて利用する顧客向けの割引です。特に大手印刷通販サイトでよく見られます。
- 期間限定キャンペーン:季節ごとのイベント(年末年始、新生活、セールなど)に合わせて実施される割引です。
- ウェブサイト限定クーポン:サイト内で配布されているクーポンコードを入力することで割引が適用されるものです。
- 早期入稿割引:納期に余裕を持たせた入稿で適用される割引です。納期が長くなるほど割引率が高くなる傾向があります。
- LINE公式アカウント登録割引:友だち追加でクーポンがもらえるキャンペーンもあります。
- SNSシェア割引:SNSで情報をシェアすることで割引が適用されるケースもごく稀にあります。
これらの情報は、各印刷会社のウェブサイトのトップページやキャンペーンページ、メールマガジンなどで告知されることが多いです。発注前に必ずチェックし、利用できる割引がないか確認しましょう。
また、「早割」や「超早割」といった、納期が長いほど割引率が高くなるプランを提供している会社も多数あります。もし印刷のスケジュールに余裕があるなら、これらのプランを積極的に活用することで、コストを大きく削減できます。
ただし、キャンペーン価格はあくまで一時的なものであるため、継続的に発注する可能性がある場合は、通常価格での比較も忘れずに行いましょう。これらのポイントを押さえることで、単に安いだけでなく、あなたのニーズに最も合った、賢い印刷会社選びができるはずです。
A4/B5チラシ・フライヤー印刷におすすめの格安印刷サービス5選
ここからは、A4・B5サイズのチラシ・フライヤー印刷において、特にコストパフォーマンスに優れ、多くの方におすすめできる印刷サービスを5社厳選してご紹介します。「1000枚あたりの料金」を重視しつつ、納期や特徴も踏まえて比較しているので、ぜひ業者選びの参考にしてください。
※料金は2025年7月時点の調査に基づき、A4サイズ/片面カラー/コート90kg/通常納期(目安7営業日)で試算したものです。部数や納期、用紙、キャンペーン等により変動するため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
ラクスル
テレビCMでもおなじみの「ラクスル」は、その圧倒的な価格競争力と利便性で、多くの企業や個人事業主に利用されています。大量部数のチラシ印刷では、業界トップクラスの安さを誇ることが多く、特に予算を抑えたい方には外せない選択肢です。
- 料金(A4/1000枚):約4,000円〜7,000円台(片面カラー、コート90kg、7営業日)
- 納期:最短当日出荷から7営業日後出荷まで、幅広い納期オプションがあります。長い納期を選ぶほど安価になります。
- 特徴:
- 徹底した低価格:オフセット印刷を自社工場で大量に行うことで、驚異的な低価格を実現しています。
- 豊富な用紙・加工:一般的なコート紙、マットコート紙から、上質紙、特殊紙まで幅広く対応。折り加工、PP加工、ミシン目加工など、オプションも充実しています。
- 簡単なオンライン操作:直感的に操作できるオンラインデザインツールがあり、専門知識がなくても簡単にデータを作成・入稿できます。
- 充実したサポート:初めての方でも安心して利用できるよう、丁寧なサポート体制が整っています。
こんな方におすすめ:「とにかく安く大量のチラシを印刷したい」「オンラインで手軽に注文したい」「納期に多少の余裕がある」
グラフィック
プロのデザイナーからも厚い信頼を得ている「グラフィック」は、高品質な印刷と豊富な用紙・加工オプションが魅力です。安さだけでなく、仕上がりの美しさや、こだわりの用紙を選びたい場合に最適な印刷会社です。
- 料金(A4/1000枚):約5,000円〜9,000円台(片面カラー、コート90kg、7営業日)
- 納期:当日発送から7営業日後発送まで選べます。特急料金は発生しますが、高品質を急ぎで手に入れることが可能です。
- 特徴:
- 圧倒的な品質:色再現性や細部の表現に優れており、デザインの意図を忠実に再現してくれます。
- 幅広い用紙・加工:数百種類に及ぶ用紙の選択肢があり、PP加工、箔押し、型抜きなど、非常に多彩な加工に対応しています。他社では対応できないような特殊な加工も相談可能です。
- プロ仕様のサービス:データ入稿のサポートが充実しており、プロのデザイナーが利用することも多いため、データに関するトラブルが少ないです。
- サンプルの請求が可能:用紙や加工のサンプルを事前に取り寄せて、実物を確認できるため、失敗のリスクを減らせます。
こんな方におすすめ:「印刷物の品質にこだわりたい」「特殊な用紙や加工で差別化を図りたい」「プロ仕様の仕上がりを求めている」
プリントパック
「プリントパック」は、業界トップクラスの低価格で知られる大手印刷通販会社です。特に大量印刷におけるコストパフォーマンスは群を抜いており、多くのユーザーに選ばれています。料金シミュレーションが非常に分かりやすいのも特徴です。
- 料金(A4/1000枚):約4,000円〜7,000円台(片面カラー、コート90kg、7営業日)
- 納期:翌日発送から7営業日後発送まで選択可能。早割などの適用でさらに安くなることもあります。
- 特徴:
- 圧倒的な低価格:大ロットのオフセット印刷に強みがあり、業界屈指の低価格を実現しています。
- 豊富な商品ラインナップ:チラシ以外にも、名刺、パンフレット、ポスターなど幅広い印刷物に対応しており、まとめて発注しやすいです。
- 頻繁なキャンペーン:期間限定の割引や、初回限定の特別価格など、お得なキャンペーンを頻繁に実施しています。
- 安定した品質とサポート:長年の実績とノウハウがあり、安定した印刷品質とサポート体制を提供しています。
こんな方におすすめ:「費用を最大限に抑えたい」「様々な種類の印刷物をまとめて注文したい」「信頼できる大手印刷会社に依頼したい」
東京カラー印刷
「東京カラー印刷」は、「速い、安い、高品質」をモットーにする印刷会社です。特に、急ぎでチラシが必要な場合に強みを発揮します。当日発送に対応しているプランも多く、都内近郊であればスピーディーな受け取りが可能です。
- 料金(A4/1000枚):約5,000円〜8,000円台(片面カラー、コート90kg、7営業日)
- 納期:最短当日出荷(特急料金あり)から選択可能。特に急ぎのニーズに対応できるのが大きな強みです。
- 特徴:
- スピーディーな対応:独自の生産体制により、短納期での印刷を可能にしています。急なイベントや販促にも対応しやすいです。
- 分かりやすい料金体系:ウェブサイトの料金シミュレーターが非常に分かりやすく、追加料金を把握しやすいです。
- 東京に実店舗あり:急ぎの場合、直接店舗での受け取りも可能です(要確認)。
- 高品質なオフセット印刷:低価格ながらも、オフセット印刷による美しい仕上がりを提供しています。
こんな方におすすめ:「とにかく急いでチラシを印刷したい」「都内でスピーディーに受け取りたい」「料金と納期のバランスを重視したい」
WAVE(ウエーブ)
「WAVE(ウエーブ)」は、京都に本社を置く老舗の印刷通販会社で、高品質ながらもリーズナブルな価格設定が魅力です。特に、用紙の種類が豊富で、細かな印刷ニーズに応えてくれます。プロのデザイナーからの評価も高いです。
- 料金(A4/1000枚):約5,000円〜9,000円台(片面カラー、コート90kg、7営業日)
- 納期:通常納期(数営業日)から特急便まで対応しています。
- 特徴:
- 安定した高品質:長年の経験と最新設備により、安定して高い印刷品質を提供しています。
- 豊富な用紙オプション:一般的な用紙はもちろん、環境対応紙や特殊紙など、多様な用紙を取り揃えています。
- 詳細な情報提供:ウェブサイトで用紙や印刷に関する情報が非常に詳しく解説されており、初心者でも安心して選べます。
- 丁寧なデータチェック:入稿データに関するチェック体制がしっかりしており、印刷トラブルのリスクを減らせます。
こんな方におすすめ:「品質と価格のバランスを重視したい」「用紙にこだわりたい」「印刷に関する詳しい情報を得たい」
これらのサービスは、それぞれ異なる強みを持っています。あなたのニーズに最も合ったサービスを見つけるために、ぜひ各社のウェブサイトで詳細を確認し、実際の見積もりを比較検討してみてください。
チラシ・フライヤーのデザイン費用と安く抑える方法
チラシ印刷を検討する際、印刷費用と並んで気になるのが「デザイン費用」ではないでしょうか。プロに依頼すれば高品質なデザインが期待できますが、その分コストもかかります。一方、自分でデザインを作成すれば費用は抑えられますが、品質や手間が課題となることも。ここでは、デザインにかかる費用の相場と、費用を抑えつつ効果的なチラシを作成する方法について解説します。
デザイン作成を依頼する場合の費用相場
チラシのデザインを専門家(デザイナーやデザイン制作会社)に依頼する場合、費用はデザインの内容や複雑さ、デザイナーのスキル、実績によって大きく変動します。一般的な相場は以下の通りです。
- 個人デザイナー・クラウドソーシング:10,000円〜50,000円程度
比較的安価に依頼できるのが個人デザイナーやクラウドソーシングサービスです。実績の少ないデザイナーやシンプルなデザインであれば低価格で引き受けてくれる場合もありますが、品質にはばらつきがあるため、過去の実績やポートフォリオをしっかり確認することが重要です。
- デザイン制作会社:50,000円〜200,000円程度(またはそれ以上)
専門のデザイン制作会社に依頼すると、企画段階から相談に乗ってくれるなど、より手厚いサポートが期待できます。ブランドイメージに合わせた統一感のあるデザインや、複雑なレイアウト、イラスト作成なども含めて依頼する場合に選択肢となります。費用は高くなりますが、その分クオリティや対応の安心感は増します。
デザイン費用は、以下の要素によって変動します。
- 情報量:掲載するテキスト量や写真・イラストの数が多いほど、デザインに手間がかかり費用が上がります。
- デザインの複雑さ:シンプルで文字中心のチラシより、凝ったイラストや写真加工、特殊なレイアウトを要するデザインの方が高くなります。
- 修正回数:デザインの修正回数に制限がある場合や、規定回数を超えると追加料金が発生する場合があります。
- ターゲット層や目的:高級感を求めたり、特定のターゲットに響くような緻密なマーケティング視点でのデザインが必要な場合も、費用は高くなる傾向があります。
見積もりを取る際は、上記の要素を具体的に伝え、どこまでの作業が含まれるのかを明確に確認するようにしましょう。
テンプレート利用でデザイン費用を抑える方法
「プロに頼むほどの予算はないけれど、ある程度のデザイン品質は保ちたい」という方には、チラシテンプレートの活用がおすすめです。多くの印刷サービスやデザインツールが、無料・有料で魅力的なテンプレートを提供しています。
① 印刷会社の無料テンプレートを利用する
ラクスルやプリントパックなど、多くのネット印刷会社は、無料で利用できるデザインテンプレートを提供しています。これらのテンプレートは、印刷に適した形式(塗り足し、トンボなど)であらかじめ作成されているため、データ入稿の手間やトラブルを減らせるのが大きなメリットです。
- メリット:
- 費用ゼロ:デザイン費用がかからない。
- 入稿トラブルが少ない:印刷会社の推奨形式なので、データ不備による再入稿のリスクが低い。
- 手軽に作成:オンラインエディターでテキストや画像を差し替えるだけで簡単にデザインできる。
- デメリット:
- デザインの自由度が低い:用意されたレイアウトやフォントの中から選ぶため、オリジナリティを出しにくい。
- 競合と似たデザインになる可能性:多くの人が利用するため、他社とデザインが被る可能性がある。
② Canvaなどのデザインツールを活用する
Canva(キャンバ)は、プロのデザイナーでなくても簡単にプロ並みのデザインが作成できるオンラインツールです。豊富なテンプレート、素材、フォントが用意されており、ドラッグ&ドロップの直感的な操作でチラシをデザインできます。
- メリット:
- デザインの自由度が高い:テンプレートをベースにしつつも、色やフォント、レイアウトを自由にカスタマイズできる。
- 豊富な素材:写真、イラスト、アイコンなど、商用利用可能な素材が多数用意されている。
- 手頃な価格:無料プランでも十分な機能が使え、有料プラン(Canva Pro)も月額料金で利用できるため、デザインを頻繁に作成するなら非常に経済的。
- 印刷連携:作成したデータをそのまま印刷会社に連携できる機能を持つサービスもあります。
- デメリット:
- 印刷用データの知識が必要:最終的に印刷会社に入稿する際は、「塗り足し」や「トンボ(トリムマーク)」、「アウトライン化」といった印刷データの基本知識が必要になる場合があります。
- 印刷会社との連携:データ形式によっては、印刷会社側で微調整が必要になる可能性もゼロではありません。
テンプレートを利用することで、デザインにかかる費用を大幅に削減しつつ、ある程度のクオリティを担保できます。特に、短期間でチラシが必要な場合や、デザインに詳しくない方にとっては非常に有効な選択肢と言えるでしょう。
自作する場合の注意点
「デザインツールは使えるし、費用を徹底的に抑えたいから自分で全て作成する!」と考えている方もいるでしょう。自作は最もコストを抑えられる方法ですが、印刷トラブルを避けるためにいくつかの注意点があります。
- 印刷用データの作成ルールを遵守する:
最も重要なのは、印刷会社が指定するデータ作成ルールを守ることです。特に以下の点に注意してください。
- 塗り足し(裁ち落とし):仕上がりサイズより外側に3mm程度の余白を持たせる必要があります。これは、印刷時の断裁ズレによって白いフチが出てしまうのを防ぐためです。
- トンボ(トリムマーク):仕上がりサイズを示すガイドマークです。 Illustratorなどで作成する際に自動で付与されることが多いですが、確認が必要です。
- アウトライン化:使用しているフォントを画像データに変換する作業です。これを怠ると、印刷会社側の環境に同じフォントがない場合、文字化けやレイアウト崩れの原因となります。
- カラーモード:RGBではなく、CMYKでデータを作成・入稿しましょう。RGBはモニター表示用、CMYKは印刷用です。RGBで作成すると、印刷時に色がくすんだり、イメージと異なる色味になったりする可能性があります。
- 解像度:写真や画像を配置する場合、300〜350dpi(dots per inch)以上の解像度が必要です。これより低いと、印刷時に画像が粗く、ぼやけた印象になります。
- 画像形式:埋め込む画像は、JPEGやPNGではなく、EPS、PSD、TIFFなどの高画質な形式が推奨されることが多いです。
- 著作権・肖像権に注意する:
インターネット上の画像を安易に使用すると、著作権や肖像権の侵害となる可能性があります。フリー素材サイトからダウンロードした素材でも、商用利用が可能か、加工はどこまで許されるかなど、利用規約をしっかり確認しましょう。有料のストックフォトサービスを利用するのが最も安全です。
- 誤字脱字の徹底的なチェック:
デザインに夢中になると、意外と見落としがちなのが誤字脱字です。完成前に複数人でチェックする、時間を置いてから改めて見直すなど、徹底した確認を心がけましょう。一度印刷してしまうと修正はできません。
これらの注意点を押さえることで、自作でもプロに依頼したようなトラブルの少ないスムーズな印刷が可能になります。時間と手間はかかりますが、費用を抑えたい方にとっては最も効果的な方法と言えるでしょう。
チラシ印刷の納期について
チラシ印刷を依頼する際、料金や品質と並んで重要なのが「納期」です。特にイベントやキャンペーンなど、配布日が決まっている場合は、納期を正確に把握し、余裕を持ったスケジュールで発注することが不可欠です。ここでは、チラシ印刷の一般的な納期と、急ぎで印刷したい場合の対応、そして納期に影響を与える要素について詳しく解説します。
通常納期と特急便・当日発送
印刷会社によって納期の表現や区分は異なりますが、大きく分けて以下の3つのパターンがあります。
- 通常納期(数日〜1週間程度):
最も一般的な納期で、5営業日〜7営業日後出荷としている印刷会社が多いです。この納期を選ぶことで、最もリーズナブルな価格で印刷できます。多くの印刷会社では、納期が長くなるほど割引率が高くなる「早割」などのサービスを提供しているため、納期に余裕がある場合は積極的に活用しましょう。
- 短納期・特急便(翌日〜3営業日程度):
急ぎでチラシが必要な場合に利用するプランです。翌日出荷や2~3営業日後出荷など、通常納期よりも短い期間で印刷物を手に入れることができます。ただし、特急料金として追加費用が発生することがほとんどです。料金は納期を短縮するほど高くなる傾向があります。急なイベントや販促機会を逃したくない場合に有効な選択肢です。
- 当日発送(即日対応):
一部の印刷会社では、当日中のデータ入稿で当日中に発送してくれる「当日発送」や「即日対応」サービスを提供しています。これは非常にタイトなスケジュールで、最終手段として利用されることが多いです。当然ながら、最も高額な追加料金がかかります。対応している用紙や加工、受付時間などに制限がある場合が多いため、利用する際は必ず事前に詳細を確認しましょう。
納期は「出荷日」を指すことが多く、実際に手元に届くのはその翌日以降(配送地域による)となるため注意が必要です。土日祝日を挟む場合はさらに日数がかかるため、余裕を持った計画を立てることが重要です。
納期に影響する要素
チラシ印刷の納期は、選択するサービスやオプションによって大きく変動します。主な影響要素は以下の通りです。
① 注文する印刷会社とプラン
前章でご紹介した通り、各印刷会社によって得意な納期や料金体系が異なります。例えば、ラクスルやプリントパックのように幅広い納期プランを提供している会社もあれば、東京カラー印刷のように短納期に強みを持つ会社もあります。また、「超早割」のような長い納期を選ぶことで割引が適用されるプランも存在します。発注前に複数の会社の納期と料金を比較検討することが大切です。
② 用紙の種類と厚さ
特殊な用紙や厚手の用紙を選択した場合、通常のコート紙などに比べて印刷や乾燥に時間がかかり、納期が長くなることがあります。特に、在庫が少ない特殊紙の場合は、取り寄せに時間がかかる可能性も考慮に入れましょう。
③ 色数と印刷方式
- 片面/両面印刷:両面印刷の方が、片面印刷よりも工程が増えるため、わずかに納期が長くなることがあります。
- モノクロ/カラー印刷:カラー印刷の方が、インクの乾燥時間などの関係で、モノクロ印刷よりも時間がかかることがあります。
- 印刷方式:オフセット印刷は大量ロット向きで、データ処理や版の作成に時間がかかりますが、一度印刷が始まれば高速です。一方、オンデマンド印刷は小ロット向きで、版が不要なため比較的短納期で対応できます。ほとんどのネット印刷サービスでは、部数や納期に応じて最適な方式を自動で選択しますが、特殊なケースでは納期に影響することがあります。
④ 加工の種類
折り加工、PP加工(ラミネート加工)、ミシン目加工、型抜きなどの特殊加工を施す場合、その分の工程が増えるため納期が長くなります。特に複雑な加工や手作業が必要な加工は、追加で数日〜1週間程度の時間を要することも珍しくありません。急ぎの場合は、加工の種類を最小限に抑えることも検討しましょう。
⑤ データの入稿状況と不備
データ入稿のタイミングとデータの完全性は、納期に最も大きく影響する要素の一つです。多くの印刷会社では、「○時までのデータ入稿で当日受付」といった締め切り時間を設けています。この時間を過ぎてしまうと、受付が翌営業日扱いとなり、納期が1日延びてしまいます。
さらに、入稿データに不備があった場合(例:塗り足しがない、フォントのアウトライン化忘れ、CMYK変換忘れ、解像度不足など)は、印刷会社からの確認やお客様自身によるデータ修正が必要となり、その分納期が大幅に遅れる原因となります。データ作成のルールを事前に確認し、完璧なデータを入稿することが、スムーズな印刷と納期厳守の鍵となります。
これらの要素を総合的に考慮し、「いつまでに、どのようなチラシを、どれくらいの枚数で必要か」を明確にした上で、最適な納期プランを選びましょう。特に急ぎの場合は、事前に電話やチャットで印刷会社に相談し、対応可能かどうかを確認することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
チラシ印刷にかかる費用はどのくらいですか?
A4またはB5サイズのチラシを1000枚印刷する場合、片面カラー・標準的なコート紙90kgで4,000円〜8,000円程度が相場です。ただし、用紙の種類や厚さ、色数(片面・両面、カラー・モノクロ)、加工の有無、納期、そして注文する印刷会社によって費用は大きく変動します。特に部数が増えるほど1枚あたりの単価は安くなる傾向があります。正確な費用を知るには、各印刷会社の料金シミュレーターで希望の条件を入力して見積もりを取るのが確実です。
チラシ印刷は何日くらいでできますか?
チラシ印刷の納期は、通常納期の場合、5営業日〜7営業日後出荷が一般的です。急ぎの場合は、翌日〜3営業日後出荷の「短納期・特急便」や、当日中のデータ入稿で当日中に発送される「当日発送」に対応している印刷会社もあります。ただし、納期を短縮するほど追加料金が発生します。また、特殊な加工を施す場合や、データに不備があった場合は、さらに時間がかかる可能性がありますので、余裕を持ったスケジュールでの発注をおすすめします。
チラシを自作するにはどうすればいいですか?
チラシを自作する方法としては、印刷会社が提供する無料テンプレートを利用するか、Canva(キャンバ)などのオンラインデザインツールを活用するのがおすすめです。これによりデザイン費用を抑えられます。ただし、印刷用データを作成する際には、「塗り足し」の設定、フォントの「アウトライン化」、カラーモードの「CMYK」変換、画像の「解像度(300〜350dpi以上)」など、印刷会社が指定するルールを厳守することが重要です。これらのルールを守らないと、印刷時に文字化けや色味の変化、画像の粗さなどのトラブルが発生する可能性があります。
チラシのデザイン作成費用はどのくらいですか?
チラシのデザイン作成を外部に依頼する場合、費用は依頼先によって大きく異なります。個人デザイナーやクラウドソーシングサービスを利用すると10,000円〜50,000円程度が相場ですが、品質にばらつきがあります。一方、専門のデザイン制作会社に依頼すると50,000円〜200,000円以上と高額になる傾向がありますが、より高品質で手厚いサポートが期待できます。デザインの複雑さ、情報量、修正回数によっても費用は変動するため、事前にしっかり見積もりを取りましょう。
まとめ
この記事では、A4・B5サイズのチラシ・フライヤー印刷において、「1000枚あたりの料金相場」と「費用を抑えつつ品質を確保するポイント」について詳しく解説しました。
重要な要点を改めて確認しましょう。
- A4/B5チラシ1000枚の料金相場は、4,000円〜8,000円程度が目安です。
- 料金は、用紙、色数、納期、加工の種類によって大きく変動します。
- 印刷会社を選ぶ際は、基本料金以外の追加費用(送料・手数料・特急料金など)も含めた総額で比較検討することが重要です。
- デザイン費用を抑えるには、印刷会社の無料テンプレートやCanvaなどのデザインツール活用が有効です。自作の場合は、印刷用データのルール(塗り足し、CMYKなど)を厳守しましょう。
- 納期は通常納期を選ぶほど安価になり、急ぎの場合は特急料金が発生します。データ不備は納期遅延の大きな原因です。
チラシ印刷は、単に安い業者を選ぶだけでなく、あなたのプロモーションの目的、予算、そして何より「いつまでに、どのようなチラシが必要か」というニーズに合った業者を選ぶことが成功の鍵です。
本記事で紹介したおすすめの格安印刷サービス5選を参考に、ぜひ各社のウェブサイトで詳細を確認し、見積もりを比較してみてください。賢く、お得に、そして効果的なチラシ印刷を実現し、あなたのビジネスを力強く後押ししましょう!
コメント